186、お仏壇やお墓の引き継ぎ事情

2018年12月10日

墓、祭壇、位牌などを民法では「祭祀財産」と呼んでいます。この祭祀財産は相続人の間で分割しますと、祖先の祭祀をするときに不都合を生じますので、相続財産とは別に特定の1人に受け継がせることになっています。これを祭祀承継者といいます。祭祀財産を受け継ぐ人は、まず被相続人(故人)が、生前に指定していたのであれば問題ありません。次に被相続人による指定がなく、遺族の間での合意がない場合には、家庭裁判所の調停、もしくは審判によって決められることになっています。(民法897条2項)民法では、このように規定されていますが、実際のところは、相続財産の分割とセットで考えられる場合が多く、「長男だから」とか、 「財産を多く相続するから」とか、 「本家の不動産を取得するから」などの理由で、祭祀財産を相続する理由となっています。
 ただ、最近では、祭祀財産を重視することが少なくなってきており、預貯金や不動産などの分割を重視して、仕方なく祭祀財産を承継されている方が増えてきているように思います。生前での相続対策ということをご心配される方が多い中、やはりこういったことを考えておく必要性は大いにあると思います。相続対策とひとことでいうことは簡単ですが、何から手をつけていいのかわからない方がほとんどで、結局は財産目録を作成して、どのように残すかを考えてアドバイスを受けて遺言書を作成されるケースになってしまいがちです。
 決して間違っているとは思いませんが、その方の遺志が本当の意味で反映されている遺言書は割合でいうと少ないのではないでしょうか?「心の相続」を忘れては、どんな対策をしても方向性がぶれてしまうのではないでしょうか?ですので、まずはご自身のお気持ちを整理するようなノート(エンディングノートといわれるノートもあります)を活用しながら、祭祀財産のことも考えて専門家にご相談されることをオススメいたします。先日実際にあった事例ですが、3代続いている老舗の料理屋さんのご相続で、長男と長女、次女、三女の四人が亡くなった母親の財産をめぐり遺産分割をされました。もともと養子で入った父は20年前に亡くなっており、母親の財産というと不動産がたくさんあり、預貯金というと1,000万円ほどでした。この財産をめぐり一番問題となったことが実は、祭祀財産の件でした。長男が祭祀財産を承継することにみなさんの意見は一致するのですが、相続財産を分割する際に、等分に分けてほしいという意見が長女、次女、三女から出たのです。こうなってくると、大変です。祭祀財産にはもともと非課税財産(相続税が課からない財産)ですし、財産評価のしようがありません。それに付け加え、お仏壇はご実家にありますので、お仏壇を相続するとなると必然的にご実家の不動産を相続する必要があるのです。困りに困った案件でしたが、最終的には、お金で解決せざるを得なくなるのです。もし、お金が十分にない方でしたら、渋々不動産を売却して、お仏壇を持たない方法でご先祖様をご供養して行かざるを得ないのです。「こんなことだったら、おばあちゃんに遺言書でも作ってもらっていたらよかった・・・」最後に、ご長男様が私たちに、伝えた悲痛の叫びでした。みなさんには同じような失敗はして欲しくないので、ご自身のお気持ちは一度整理してみて、安心できる状態にしておいてください。

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