249、遺言内容と違う遺産分割

2020年03月16日

 相談者Aさんは、お母様を亡くされセンターに相談にみえました。
Aさんは、すでにお父様もお姉様も亡くしておられ、お母様の相続人は、
Aさんとお姉様のお子様2人の計3人です。
Aさんは、「姉の子どもは2人とも東京在住で、経済的に余裕がある」とおっしゃっていました。

 Aさんは、お母様の遺品を整理していると、お母様によって遺されたと思われる、
複数の遺言を発見しました。これらの遺言は、封をされておらず、
コピー用紙にメモ書きされたかのような体裁でした。
遺言には、不動産(約3,000万円相当)をAさんの姉に、
その他の預金(4,000万円相当)をAさんとお姉さんで2,000万円ずつ相続させると
書かれていました。
 『この遺言に法的な効果があるのか?』こう思いつつも、
Aさんは、遺言の検認手続を裁判所で行いました。
 裁判所から、Aさんはこう言われました。
 「確かに遺言の存在を認める。ただし、法的にこれが有効か無効かを判断するものではない」

 Aさんは、遺言の法律的効果云々を議論する前に、相続人全員で話し合おうと、
姉の子である姪2人と3人で集まる機会をもうけました。
話し合いの結果、次のようにまとまりました。
・Aさんが、不動産(約3,000万円相当)を相続する。
・姪2人が預金の内、不動産の価格に相当する3,000万円を相続し、1,500万円ずつ分ける。
・Aさんが、預金の内、1,000万円を相続する。

姪2人は結婚していて、他県で夫の所有する家に暮らしています。
実家に帰ってくるつもりはなく、経済的にも余裕があるとの事から、
Aさんが不動産を相続する事になりました。
 遺言とは全然違う内容ですが、相続人全員の合意がとれ、Aさんは遺産分割協議によって、
自分の住む不動産を相続できました。

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