305、債務がある場合の遺留分の減殺請求

2021年05月24日

遺言で相続人であっても遺産をまったくもらえなかったり、遺留分以下の遺産相続であった場合、遺留分を侵害している相続人に対して遺留分の減殺請求ができる権利がありますが、一方では債務についても債権者に支払う義務が発生します。

 お父様が亡くなり長男のAさんが相談にみえました。お父様には遺言があり遺産はすべて二男のBさんが相続する内容でした。お父様の財産は不動産が5億8000万円、預金が800万円ありますが、銀行債務も4億円ありました。
相続人は配偶者と長男のAさんを含めて4名。Aさんは生前に3千万円の贈与を受けていますが、法定相続分(1/6)として1億300万円を相続できる権利があります。
遺留分としては2分の1の5150万円なので、あと2150万円をBさんから遺留分の侵害分として受取る権利があります。

Aさんの相談は不足遺留分のほかに相続債務の額を加算してもらえるのではないかと言う内容でした。債務についてはプラス財産から控除して残りの財産を分割するのが通常の方法と理解していたので、弁護士にも相談しました。
たとえ相続債務分をもらっても支払う義務もあるので、通常は相続債務分をプラス財産から控除した残りを分割することになるという回答でした。
Aさんが心配されていたのはBさんが債務を負担できなくなった場合にAさんに債務支払い義務が発生しても負担できないという心配でした。
 
 最高裁判所の過去の判決によると、相続人のひとりが財産全部を遺言で相続した場合は遺留分権利者に相続債務分を加算することは出来ない。(平成21年3月24日判決)
ただし、生前に遺留分権利者が贈与等を受けていた場合には、負担すべき相続債務を加算することが出来る。(平成8年11月26日判決)となっています。
 
過去に遺留分のほかに相続債務分を加算して支払った判決事例はありましたが、今回のケースでは相続債務分をBさんに請求しても相続した財産が不動産であり、現金も少ないので加算してもらうのは困難ではないかと、Aさんにお話ししました。債権者の銀行にも確認し、抵当権が設定されているのでAさんに債務支払いをしてもらうことはまずありませんとの回答でした。

 Aさんは生前贈与3000万円を受けている為、相続債務分を控除した残りの財産(2億1800万円)の分割では遺留分侵害にならないことから請求は取りやめました。
遺言があっても、遺留分減殺請求の際に不当な請求をされて争いにならないよう、遺言の中に請求があった際の支払内容や順番を指定しておくことも重要であると感じました。

 本案件では、債務を含んだ財産相続では、分割方法と相続人の支払い能力等によっては債務負担分を加算できることを知り、大変勉強させてもらった案件でした。

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