相続コラム
2024/10/07 相談事例
455、清算結了登記が完了した会社所有の不動産評価証明書の入手
Tさんのお母様Hさんが亡くなり、相続手続の相談を受けました。
Tさんのお父様Yさんは5年前に亡くなっていて、その時にも相続手続のお手伝いをさせていただきました。
Yさんは以前、有限会社を経営していて、自宅と棟続きになっている会社所有の店舗がありましたが、相続人のご意向で店舗の所有権移転はしませんでした。今回はHさんも亡くなり、会社所有の店舗も活用予定がなくなったので、所有権移転を依頼されました。
店舗が会社名義で保存登記されているのを確認し、評価証明書を入手するため市役所の資産税課に相談に行きました。
会社は昭和52年に清算結了していたので、誰の委任で評価証明書が入手できるかを市役所に確認すると、清算人の委任状が必要との回答でした。清算人(Yさん)が亡くなっている場合は、新たに清算人の選任を裁判所にしてくださいと言われ、行き詰ってしまいました。法務局にも確認したところ、清算人を新たに選任するには結了登記を一旦抹消して選任し直す必要があるとのことです。
この経緯を相続人のTさんにお話しをし、近い将来自宅と一緒に店舗も壊す予定があれば、土地は相続人の所有になっているので、取壊し証明を付けて店舗の滅失登記をするのが最善と思います、とお話しをして了解してもらいました(滅失の件は法務局に確認済)。
会社清算をする際は会社所有の財産に漏れがないように、しっかりと確認してから清算結了しないと、証明書類の入手が困難になる可能性があります。