お母様が亡くなられたとのことで相続人である長男Ａ様と、長女Ｂ様から相談を受けました。お母様の相続についてのお話を伺っていると、Ａ様から「実は１０年以上前に大手商社に勤めていた父が他界しているのですが、その父より生前に受贈した工芸品や絵画等の古美術品が納戸等に数多く残されていて、それも処分したい」との相談を持ちかけられました。

そこで、お父様の相続時の申告書とその分割協議書を預かり、事前に税理士に相談したところ、お母様の相続財産には含めないで対応して良いとのアドバイスを受け、税務上の心配がクリアとなったので、早速古美術品の処分の手配について調査を始めました。

とはいえ、古美術品の評価、処分など、いままでやったことのない手続きのため、まずは信用ある古美術商の選定が大事であると考え、提携先銀行より紹介を受けることにしました。

その古美術商の信用照会を行うとともに、相談員自らその古美術商を２回に渡って訪問し、鑑定書の発行を含め具体的な評価、処分方法等の聴取を行いました。

その結果を依頼人であるＡ様及びＢ様に報告したところ、「紹介してほしい」との依頼を受け、数日後、その古美術商とともに被相続人宅を訪問、相続人の立ち合いの下、先に提出しておいた一覧表に基づき個々の評価を実際に行いました。

後日、鑑定の結果が出ました。鑑定書を付けるような高価な古美術品はなかったものの、一覧表にて評価額の報告が古美術商より提示されました。

その評価額に基づき処分することで依頼人も了承し、その古美術商がすべての古美術品を買い取り、実際に処分をすることとなりました。

ご相談を受けたお母様の相続手続に直接関係ない依頼に対し誠実かつ早期に対応したことで、相続手続もスムーズに進行し、無事完了することができました。（467）