相続コラム
2025/05/07
元日本人のアメリカ国籍の相続人
高井さん(仮名)が亡くなり、奥様が相談に来られました。
奥様は高井さんの急な死に動揺され、息子2人の内、アメリカ国籍の息子が1人いることもあり、相続手続に不安げでした。知人から、海外国籍の相続人がいると非常に面倒だと聞いていたからです。
日本在住で、日本国籍の相続人だけの遺産分割協議書の場合は印鑑証明書の添付は容易ですが、アメリカ国籍の相続人は印鑑証明書がなく、他の方法をとる必要があります。したがって、その対応の仕方を説明し安心していただきました。
方法は二つあります。
①アメリカの日本国総領事館での署名証明(サイン証明)の取得
②アメリカの公証人(Notary Public)による認証
より安心感をもってもらうために、外務省のHP記載の領事館における証明や、翻訳したアメリカの公証人の認証書類を見せながら説明しました。
※元日本人の領事館での署名証明の発給条件は国によって違います。
奥様は、一番心配していた相続手続のことがわかり安心され喜んでくださいました。
また、高井さんがアメリカで勤務されていた話も出たので、条件次第でアメリカの年金をもらえること等も説明すると、同席していた日本国籍の息子が「今度手続きするから安心してね」と母親に声をかけていました。 (478)