相続コラム
2025/06/23 相談事例
相続がきっかけできょうだい仲良く
亡くなった父の相続手続に長女Aさんと二女Bさんが相談に来られました。
財産は、不動産がなく預貯金が約2,000万円でした。
通常の流れ通り、遺産分割協議書を作成し、それに基づいて銀行手続きをすれば完了かと思いきや・・・。
『実は弟Cさんがいるのですが、疎遠でどこに住んでいるのか、生きているのかも不明』という状況でした。
弟Cさんは30年前にAさんと喧嘩をして、出て行ったきり、一度も連絡を取っておらず、父の葬儀にも顔を出さなかったそうです。
まず相続人調査を進め、手続きに必要な戸籍を全て取得しました。
同時に相続人3名の戸籍の附票(住所地が記載されたもの)を取得しました。
Cさんの住所が分かったところで、Cさん宅に対しお手紙を送りました。
すると間もなくしてCさんからAさんに連絡があり、父の相続手続について協力するということでした。
Aさん、Bさん、Cさん、きょうだい3人で話し合ってもらい、遺産を3分の1ずつ分けるということで、皆様ご納得されました。
そこからは、遺産分割協議書を作成しスムーズに手続きを終えることができました。
手続き終了後、ご挨拶に伺ったとき、
「本当に頼んで良かった。今はきょうだい3人で頻繁に連絡を取り合い、仲良くしております」と泣いて喜んでくださりました。
お互い30年間意地を張り合っていただけで、仲良くできるきっかけを探していたそうでした。
「相続手続って揉めるでしょ?」とよく言われますが、相続手続によって家族の中が深まる例もあるのだと思いました。 (481)