相続コラム
2025/08/20 相続ニュース
群馬県「経営承継円滑化法」に基づく支援制度
2025年現在、群馬県では中小企業の経営者や資産所有者の方々に向けて、「経営承継円滑化法」に基づくさまざまな支援制度が整備されています。
経営承継円滑化法に基づく主な支援制度
(1)事業承継税制(法人版/個人事業主版)
・非上場会社の株式や特定事業用資産を、贈与・相続で後継者に承継した際、一定の条件を満たすと相続税・贈与税の納税が猶予または免除されます。
・法人版・個人版ともに、都道府県知事の認定と「特例承継計画」の提出が必要です。
(2)金融支援措置
・日本政策金融公庫等を通じて、低利・長期融資が利用可能です。
・信用保証枠の拡大や、群馬県信用保証協会による保証支援も対象となります。
(3)会社法特例(所在不明株主の買取請求)
・所在不明の株主がいる場合、通常5年必要な公告期間が、1年に短縮されます。
(4)民法特例(遺留分の除外合意)
・後継者に対して生前贈与された株式等について、遺留分の対象外とする合意を認定後に交わせます。
特例承継計画の作成方法
「特例承継計画」は、事業承継税制の適用を受けるための必須書類です。
以下の流れで作成・提出します。
【作成ステップ】
1. 後継者の選定 :親族・従業員・第三者などから承継予定者を決定。
2. 承継時期の明確化 :目安となる時期を設定(3〜5年以内が推奨)。
3. 株式や資産の移転計画 :贈与または相続による方法を明記。
4. 従業員や関係者への周知予定:引継ぎ体制をどう構築するか記載。
5. 必要書類の添付 :会社概要、後継者の経歴なども記載。
【提出先と期限】
・提出先:群馬県産業経済部 地域企業支援課
・提出期限:2026年3月31日まで(特例措置の対象となる場合)
・提出後、都道府県知事の審査を経て「認定書」が発行されます。
制度の利用手順
【1】事前相談
群馬県や商工会議所、金融機関に相談窓口が設けられています。
【2】認定申請
必要書類を準備し、県の地域企業支援課へ申請書を提出します。
【3】認定取得
書類審査に通過すれば、事業承継税制や各特例の適用が可能になります。
【4】贈与・承継手続き
相続・贈与税申告、株式の名義変更など、法的な手続きを実行します。
【5】定期報告
承継後5〜10年間は、後継者が企業を継続経営しているかを報告する必要があります。
群馬県では、専門家による無料相談会や、セミナーなども定期的に開催されています。
これらを積極的に活用し、安心できる相続・承継計画を構築していきましょう。