相続コラム
2025/12/22 相談事例
もっときちんと決めておけばよかった・・・
小林さん(女性)は結婚しておらず、独身です。妹は結婚してから県外で暮らしています。
父は前に亡くなっており、実家は母が一人で暮らしていましたが、数年前に病気になってしまいました。小林さんが面倒を見ていましたが、残念なことに病院で亡くなってしまいました。
母の葬儀などをすべて終えて、相続の手続きを行うことになりました。
父が亡くなったときには、父の財産は全て母が相続しました。
母の相続のときには、姉妹で半分ずつと母の生前に決めていました。が、いざ財産目録を作って姉妹でどの財産を誰が相続しようか話し合うと、決まりません。
妹は県外にいるので、「実家及び他の不動産は小林さんに相続してほしい、そのかわりその分預貯金を少し多めに相続したい」という考えです。
小林さんは「子供がなく一人で、不動産は所有したくないし、自分に万が一のときは、どうせ妹が相続するのだから、実家等は妹が相続して管理してほしい、預貯金は半分で」という考えです。
何回かの話し合いを経て、『実家は小林さんが相続し、他の不動産は妹が相続し、預貯金は半分』とようやく決まりました。最初の話し合いから、1年半後の事でした。
小林さんは、独身の自分と、結婚してさらに県外に暮らしている妹とでは、考えがずいぶん違った、もっときちんと決めておけばよかった、と今更ながら感じました。
今回のケースでは、母の生前に、相続について話し合う機会を持ったことは素晴らしいと思います。ただ、相続対策として考えると、様々な場合を想定して、母親が遺言を作成するといったこともできたかもしれません。遺言作成はしなくても、財産をきちんと調べてどれを誰が引き継ごうかと、話し合いが出来たかもしれません。
正解はないと思いますが、それぞれの家庭にあった相続対策を、様々なケースを想定して、行うことの大切さを改めて感じた事案でした。 (500)







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