相続コラム
2026/03/30 相談事例
亡ご主人の財産を相続したい
幸子さん(仮名)は、亡きご主人の預貯金の相続手続をしたいと、相談にいらっしゃいました。お話をお聞きしたところ、お子さんは無く、直系尊属もすでに亡くなり、遺言も書かれていないとのことで、ご主人の相続人は配偶者の幸子様と兄弟甥姪とのことでした。
遺産は、A銀行への普通預金と定期預金の合計90万円程度で、不動産の所有はありませんでした。
預貯金の解約手続をするには、ご主人の相続人の遺産分割協議が必要になります。
幸子さんはご主人の兄弟とあまり面識はなく、話し合いは出来ない状態でした。
金融機関によっては、遺産残高により代表相続人が簡易手続で解約出来ることもあります。しかし、A銀行の簡易手続は遺産残高が30万円以内の場合と決まっているため、幸子さんが簡易手続によりご主人の遺産を全て相続することは出来ませんでした。
そこで、令和元年7月1日相続法改正により施行された仮払いの検討をご提案しました。
A銀行に問い合わせたところ、『ご主人がお亡くなりになった後、ATMにて仮払いを超える金額が引き下ろされているため対応出来ません』とのご返答でした。
正式な方法での手続きは出来ないとわかり、幸子さんも『もう諦めるしかないのでしょうか?』と悲しい表情をされておりました。そんな幸子さんの様子を見て、相談員なりに何かできることが無いか?と思い、法律以外で人の心に訴えてみよう!と考えました。
まずは、A銀行の支店担当者に直談判に伺いました。内容は上申書によりご主人の遺産全額を幸子さんにお支払いいただく相続手続です。上申書の内容は、『配偶者の相続分4分の3、その他の相続人の相続人の4分の1、約22万5千円の金額について、今後他の相続人からA銀行に対し相続手続の責任請求の話があった場合、幸子さんがすべての責任を負いA銀行には一切の責任を問いません』というものです。
度重なる協議の結果、A銀行は上申書による手続きに応じてくれる事になり、幸子さんに素敵な笑顔が戻りました。相談員としての努力が報われた案件となりました。
その後、相続人全員で分割協議がまとまり、法定相続分で分割して円満に終了しました。
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