相続コラム
2025/07/14 相談事例
同居の娘に託したいが
相談者のしずこさんは、ご主人の残した戸建に娘と孫の三人暮らしでした。
半年前にご主人は他界されました。ご主人は、代々千葉にお住まいのご長男。菩提寺もあり檀家として活動していましたが、仕事の関係(船員)で横浜に転居し、以降横浜に居宅を構え長男と長女の二人の子供がおられました。
相続税の申告、預金通帳の解約、保険の手続き、不動産名義変更のやり方が分からないというものが主な相談内容でした。
なかでも、不動産名義についての想いが複雑でした。
また、ご主人の納骨を横浜で済ませており、千葉のお墓を移して来たいとのことでした。
長女は離婚後、子連れで実家に戻ったのですが、籍を入れていない彼氏が通ってくる状況でした。
土地建物を娘の名義にして安心して住まいを確保してあげたいのですが、その彼氏の存在が不安でした。
長男との仲もその彼氏のことで悪くなり、分割協議も整うか分からない状態でした。
問題の先送りにはなりますが、母のしずこさんの名義にするということで、長男も納得されました。長女も、家族の心配が理解できたようでいい方向に進みました。
もう一つの問題はお墓を移すことでした。
ご主人のご両親も納骨されている、由緒あるお寺さんのようで、墓じまいの費用がいくらかかるか、そもそもご主人のご親戚に理解していただけるか、とても心配でした。
過去の事例などをお話して、「ご親戚、お寺さんにまず相談を」とお伝えすると、これまたスムーズに話が進み、親族の了承を得られ実費のみの支払いで終了しました。
今回は生前にご主人の意向を確認しておくことが大切だと感じたケースでした。
遺言があれば、心配事なく手続きができたのにと感じた事案でした。 (484)