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相続コラム

2026/01/19 相談事例

大切な家と息子のために

 「息子に負担をかけさせたくなくて…」思いあぐねた様子のA子さん(女性)からご相談がありました。

 A子さんのご主人は自宅を購入された際に、自分と息子さんの共同名義で所有されていました。そして月日は流れ、温かい思い出を胸にご主人はお亡くなりになりました。

 当時の相続手続を依頼していた司法書士からの勧めを受け、ご主人の自宅の所有分はA子さんが引き継ぐことになりました。

 A子さんは自宅の他にリゾートマンションを所有されておりましたが、自分に万が一のことがあった場合、このマンションを相続するのは息子さんだということに気付かれました。

 しかしリゾートマンションは管理費が高く、いくつか条件等もあることから買い手がつかないだろうと考え、息子さんとご一緒に将来的には相続放棄をした方が良いのではないかと話し合われていらっしゃいました。

 でも息子さんが相続放棄をするとなると、現在A子さんがお持ちの自宅の所有分まで相続放棄をしなければならないことになります。

「大切な家なのでそれは避けたいです。でもリゾートマンションも相続させると息子にも負担をかけることになってしまうでしょう・・・?」

 今の自分の状況を将来的に見て考え、ご家族皆さまで過ごされた自宅と息子さんのことを想った末に困り果ててしまったA子さんの姿に胸を打たれました。

 

 A子さんの気持ちに応えるため、センターからは「A子さんの自宅の所有分を今のうちに息子さんに生前贈与で移してみるのはいかがでしょうか」と提案させていただきました。

 ご自宅の名義を全て息子さんに変更しておき、A子さんに万が一のことがあった場合には相続放棄をすることで、息子さんに負担がなくご自宅も守ることが出来ます。

 また、相続時精算課税制度(生前贈与した場合に納めなければならない贈与税の代わりに、相続の際に相続税を納める税金の制度)を選択することによって2,500万円までは贈与税がかかることなく贈与をすることができることもご説明させていただきました。

 A子さんはこの提案に瞳を輝かせて「ぜひそうしたいです」とお答えされ、正式に依頼をいただきました。

 さっそく司法書士や税理士により贈与契約書の作成、不動産の登記、贈与税申告、相続時精算課税制度の届出を行い、無事に息子さんへの生前贈与を完了することが出来ました。

 

 これで安心できましたと安堵の表情を浮かべるA子さんを見て、私もほっとすることができました。

 自身が所有している財産は将来誰に相続させることになるのか。大事な家族のために今自分ができることは何かあるのか。ああしておけば良かったと後悔する前に、相続について正面から考えることの大切さを改めて学ぶことができました。

 

 

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