相続コラム
2026/03/09 相談事例
養子縁組の落とし穴
近頃、当センターにもお一人様の相続案件が多くなってきました。お一人様というのは、子供のいないご夫婦、生涯独身だった方の相続などを指します。
被相続人が70代や80代の場合、その頃の時代背景もあり、兄弟姉妹が大勢いる例がほとんどです。さらに高齢ということで亡くなっている方も多く、その子供達、つまり、甥姪が代襲となり、ネズミ算式に相続人が増えていきます。さらに相続手続となると、その方達に関するすべての戸籍を集めなくてはなりません。
加えて、明治大正時代の複雑に絡み合った戸籍には、思いがけない落とし穴があるものです。
ある日、当センターに岩﨑さん(仮名)という女性が訪ねてきました。「近くに住んでいた独身の叔母が亡くなったので相続手続をお願いしたい」というお話でした。
その方は岩﨑さんの亡くなった母親の姉にあたる方です。例のごとく戸籍収集から始めました。
数か月かけ多数の戸籍を集め、いざ、手続きに進もうとした時、岩﨑さんがこんなことを言いました。
「私が結婚した時、私の両親と夫は養子縁組をしました。その後母が亡くなり、さらに数年後、私は離婚しました。離婚時に、父との養子縁組は離縁しましたが、母は亡くなっているので自然消滅していますよね???」
違います!!大きな間違いです!!実は、このように養子縁組した片方が亡くなっていれば「離縁の手続きはいらない!」と思っている人が非常に多いのです。
養子縁組に自然消滅はありません。
死亡後の離縁は残った片方の方だけしか手続きができません。そして家庭裁判所での手続きが必要になります。
岩﨑さんの場合、離婚した元夫が行う手続きになります。
いうまでもなく岩﨑さんは既に離婚した元夫とは疎遠になっていますが、当然に元夫の戸籍も追わなくてはなりませんでした。
結果的に相続人が一人増えることになりました。
とかく養子縁組の際はメリットを考えがちですが、今回の岩﨑さんのように養子縁組が「落とし穴」になるようなこともあります。特に離婚率の多くなった現在ではなおさらです。
私達も複雑な戸籍を正確に把握する注意力が必要であると、改めて思い知らされた案件でした。
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