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相続コラム

2024/09/30 相談事例

454、公の土地の上に建物が!

お父様が亡くなられたとのことで、武井さん(仮名)からご相談がありました。

相続人は、武井さん本人とお姉さん3人の合計4人。相続財産を伺ったところ、自宅不動産と預貯金(銀行2行)のみとのことでした。武井さんは、長男であることと、お父様と同居をしていたことから、全ての相続財産を引き継ぐ意向をお持ちで、すでに他の相続人とも話し合いがついていました。

 

ここまでお聞きすると、特段問題なく分割協議や手続きを進めることができそうだなと考えていましたが、武井さんの相談したかったことは自宅の不動産についてのことだったのです。

詳しく話を聞いてみると、その土地は約50年前にお父様が不動産業者から購入したとのこと。しかし、今まで固定資産税を支払っていません。

滞納しているわけではなく、市町村から固定資産税の課税通知を受け取ったことがないようです。その土地の上には、相談者の武井さん名義の建物と、相続財産であるお父様の建物(ただし、名義はお父様と武井さんの共有持ち分)が登記されており、そこで生活をしています。もちろん、この建物に関しては、固定資産税の課税通知が届き、毎年固定資産税を支払っています。

 

建物の登記全部事項証明書を取得し、所在地を確認したところ、「A市○丁目○番地地先」との記載がありました。

この状況を土地家屋調査士に相談したところ、『地先とは、土地の地番がない土地で公有地とされている土地である』との返事。つまり、「○番地の前にある公の土地」に武井さんやお父様の建物が建っていることになっています。詳細を確認するため、土地家屋調査士に現地調査に行って頂いたところ、やはりA市が所有している公の土地の上に建物が建っていました。

一般的に、建物の一部分が公の土地上に建てられていることは珍しくはないのですが、建物全てが公の土地の上に建っていることは珍しいようです。

また、建物は未登記や違法建築物ではなく、建築確認書も存在しています。

 

考えられる原因としては、おそらく約50年前にお父様が土地を購入した際、不動産業者に騙されたのだろうとの結論になりました。

実際、購入時の書類が存在していないようです。とはいえ、既に建物も建築してあり、そこで日常生活を送っていることから、今後どうすべきかを考えることになりました。

 

対応策を検討した結果、選択肢としては下記の2つが挙げられました。

① A市に対して、払い下げの手続きをとる(担当専門家:土地家屋調査士)

② 土地の取得時効を援用する(担当専門家:弁護士)

 

①の場合、必ず払い下げを行ってもらえる保障はないことと、それ相応の金額で土地を購入することになります。手続に要する時間も1年以上はかかる可能性が…。

②の場合、まだ弁護士への相談を行っていないため、まずは相談に行くことになりました(武井さんの仕事の関係により、当センターの紹介先ではない弁護士に相談されています)。

弁護士への相談結果を報告いただいたところ、取得時効を援用することは可能だが、より確実に進めるためには、武井さん自身が20年以上その土地を占有していることが望ましいとのこと。そのためには、あと数年必要です。

 

最終的に武井さんが選んだ方法は、②の取得時効の援用です。

たしかに、今の時点では土地の所有者がA市であることは気にかかるが、どうすれば良いのかが明確になったので、安心できたとのお言葉を頂いております。 なにがどうなるのか、目に見えない漠然とした不安が明確になることで、安心につながることもあります。

相談の時点で全ての問題が解決できなかったとしても、次につながる結果を選択することができて、ホッとされた武井さんご夫婦の笑顔が忘れられません。

もちろん、その他の手続きは全て問題なく終了しています。

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