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相続コラム

2026/03/23 相談事例

夫の遺産額は秘密にしてほしい

Mさんの夫Tさんが他界されました。夫婦には子どもがいなかったため、Tさんは生前に公正証書で全ての遺産をMさんに相続させるという遺言を残していました。

 Tさんの相続人は兄2人と弟1人、そしてMさんの4名です。

遺言があるため遺留分の請求の可能性はなく、スムーズに手続きが進められるはずでした。

 

しかし、初回の無料相談と2回目の調査結果報告では相続人ではないMさんの兄が同席されており、金融資産のヒアリングではMさんは頑なに具体的な金額を教えてくれないままでした。

 

その数時間後にMさんからお電話があり、兄に夫の遺産総額を教えたくなかったこと、20年ほど前に兄の子をMさんとTさんの養女として迎え入れないか、という提案を兄夫婦から受けていたこと等をお話して下さいました。

その提案を引き受けた場合、嫁に出す費用等は基本全てMさん夫婦から捻出することになるため、Tさんも難色を示しており、結局実現することはなかったそうです。

 

事情を理解した私は、MさんとMさんの兄に対し、初回の無料相談で聞き出した、実際の金額よりかなり低い金額を前提とした話をしました。

そして後日、実際の金額に則った調査結果報告書を作成し、Mさんお一人に相続税申告が必要になるご説明を行った上で、ご依頼を頂きました。

Mさんの兄はTさんの生前、どのくらい財産があるかを聞いていたらしく、「Tが言っていた金額より随分低いなぁ・・・」と不思議がっていたそうです。

 

 遺言執行者はMさんであるため、民法第1011条第1項に記載されている財産目録の作成および交付義務はMさん自身に委ねられています。

 今回は相続人でもなく受遺者でもないMさんの兄でしたので、法的に通知義務がなかったのは幸いでした。Tさんの兄弟も全てMさんが相続するだろうと考えていたようで、手続きは無事終了しました。

 

 相続人ではない親族が無料相談に同席されるケースは珍しくないため、お客様の真の糸を汲み取れるように意識して無料相談を行わなくてはいけない、と改めて実感した今回の一件でした。

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