相続コラム
2024/11/11 相談事例
登記上の地目と現況は同じではない
山本様(仮名)の弟がお亡くなりになり、相続人は、山本様、山本様の姉、既に他界している兄の子(甥・姪)の4名です。
相続財産は、預貯金と不動産でした。
この不動産については、当初皆様「相続したくない」と言っていましたが、このまま放っておくと数次相続が発生した際、権利関係が複雑になり、処分が難しくなる可能性等を説明させていただきました。
また、皆様が不動産を相続したくないもう一つの理由が、登記上、「山林」となっていたため、「森林の所有者届出制度」に基づいて、所有者の届出をしなければならないということでした。
しかし、名寄帳を確認すると、現況は雑種地となっておりましたので、市役所に問い合わせを行い、届出が必要か否かを確認しました。
その結果、今回の土地については届出不要との回答でした。
その旨を山本様にお伝えしたところ、将来的には山本様の息子様が相続される意思を示したため、今回は、山本様が相続することになりました。
上記の意向を踏まえて、預貯金の分割については、4名の相続人で、代表相続人として山本様が取得した後、代償金を皆様にお支払いする内容で合意ができ、今回の相続手続は完了しました。
不動産について、当初は登記内容だけを見て、「売れない土地をもらっても仕方がない」という意識が皆様の中に強くありました。
しかし、お手伝いさせていただくことにより、地図で場所を調べた結果、悪い場所ではないことが判明したり、森林法による届出が不要であることがわかったりする中で、山本様の息子の後押しもあり、相続人皆様の合意ができました。
不動産については、専門家に相談をして、現況を確認することが大切です。 (461)