366、養子縁組前に生まれた養子の子が、養親の代襲相続人になり得るケース?

2022年9月20日

※本文中に出てくる名前は全て仮名です。

隆さんは、妻の和子さんに先立たれ、その相続手続きをセンターに依頼されました。和子さんの相続人は、隆さんと和子さんの姉妹です。

当センターで戸籍を取り寄せてみると、下の事実が明確になりました。

・和子さんは6人姉妹である。

・和子さんの姉の初子さんと夫である太郎さんとの間に、健太さんが生まれている。

・健太さんの誕生後、太郎さんは和子さんのご両親と養子縁組をしている。

・太郎さんは和子さんより先に他界されている。

相続手続きを進めるにあたり、当センターは、

「健太さんは、太郎さんの代襲相続人として、和子さんの相続人になるのかどうか?」

という問題に直面しました。

ポイントは、民法887条、および889条です。

つまり、「健太さんが、和子さんの両親の直系卑属かどうか?」です。

健太さんが直系卑属ならば、和子さんの相続人です。直系卑属でないならば、相続人ではありません。

どちらの解釈も可能です。たしかに、健太さんの父である亡太郎さんを基準に考えると、太郎さんの養子縁組前に誕生している健太さんは、権一郎さん・うめさんの直系卑属ではありません。

しかし、健太さんの母である初子さんを基準に見れば、健太さんは権一郎さん・うめさんの直系卑属です。初子さんは権一郎さん・うめさんの実子で、健太さんは実子の子、つまり孫だからです。

「どちらの解釈が正しいのか?」、「見解が割れているのであれば、本件の場合どうすべきなのか?」

答えを求め、まず、当センターは、法務局、および遺産のある銀行に対し問い合わせました。

法務局からは、「不動産登記をする場合には、健太さんは相続人にならないという見解である」

銀行からは、「担当の弁護士に確認をしたところ、判例の解釈により、健太さんは相続人なる」

という回答を受けました。

判例があるということは、法律に明確な規定がなく、過去に争った結果、裁判所に判断を仰いだ相続人がいるということです。当センターは、法務局に対し、判例の存在を伝え、再度の判断を仰ぐことはしませんでした。というのも、本件では、最終的に健太さんが相続人になるかならないかで相続分の変わる和子さんの姉妹の全員が、

「隆さんが全部を相続したらいい」

とおっしゃったからです。健太さんが相続人になるかどうかという追求をいったんストップし、センターはスムーズに手続きを進められました。

相談員として、無事に手続きの完了したことを喜んでくださった隆さんの姿に、ほっと安心しました。同時に、相続人の特定に複数の見解があるケースがあるのだと、相続の奥深さを痛感しました。

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