370、1枚のメモから

2022年10月24日

「息子が亡くなって、どうしていいか分からなくて…」と、A子さんからご相談がありました。

お話をお聞きすると、A子さんは、早くに旦那さんを病気で亡くし、一人息子のC男さんと親子2人で暮らしてきました。C男さんは、20年前、高校を卒業し、板金業の職人になる夢を抱き、県外の企業に就職しました。就職してから5年くらいは、お正月は帰省していましたが、その後はだんだん多忙になってきたようで、年に何回か連絡をするくらいになってきました。それでもA子さんは、体調を崩していないか、何か困っていないか、などと連絡をしていました。返事はいつも決まって「何ともないよ、無事に過ごしているから、心配いらない」でした。

そんなある日、C男さんの上司という方から「C男さんが、病気で亡くなった」と連絡がありました。A子さんはビックリし、すぐに指定された病院に行きました。そこには、冷たくなっているC男さんが横たわっていました。母親であるA子さんにはずっと黙っていたようでしたが、C男さんは重い病気と診断され、何年か前から仕事をすることすらままならなくなっていて、入退院を繰り返していたようでした。それでも、熱心な仕事ぶりと、親しみやすい人柄から、会社の仲間や友人などの手を借りて、最後の日まで暮らしてこられたようでした。

慌ただしく葬儀を終え、一息つくと、こみあげてくる悲しみを抑えられず、数か月間放心状態で暮らしておられた時に、葬儀社さんから、相続の手続きの案内をもらい、「これだけは私がしなければ」と思い立ち、当センターにご連絡をいただきました。

A子さんのお手持ちの資料を基に、財産を調べると同時に、再度C男さんの荷物をご確認いただき、財産の手掛かりを調査しました。その中に、仕事のこと等を書き留めていたノートが見つかり、そこに「何月□円(○銀行)」と何行にもわたってメモが書いてありました。○銀行は、A子さんの県にある地銀です。問い合わせたところ、C男さん名義で預金が見つかり、まとまった金額になっていました。

それから1年後、A子さんは、C男さんが勤めていた会社の皆さんにお礼を言いたくて訪問されました。そこで、C男さんの仕事の様子などを聞いていると、「C男さんは、母の家を建て直してやりたい、そのためにお金を貯めている」と言っていたそうです。

離れて暮らしていても、たった一人の家族を誰よりも大切に思っていた気持ちは親子共に同じでした。

C男さんが大切に貯めていたお金を相続したA子さんは、自宅を建て直し、C男さんの遺品を保管しておく部屋も作り、親子の絆を大切に、日々暮らしていらっしゃいます。

特に家族が離れて暮らしている場合での財産調査の手掛かりは、故人の身近なものにあるものだな、と思うとともに、家族を大切に思う気持ちに距離はないのだな、と感じた事例でした。

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