381、遺言が撤回されていた!

2023年1月16日

A様が、一人暮らしの妹(X様)が亡くなったとして無料相談にお越しになりました。X様の配偶者は既に亡くなっておりお子様がいらっしゃらない為、お兄様であるA様が相続人代表として手続きを行うこととなったのですが、相続財産が分からないという状況でした。

 X様は約25年前に夫と死別しそれ以降お一人でお暮しになっていたとのことで、3年くらい前にご病気で入退院を繰り返すようになった頃から、A様ご家族がX様のお世話をするようになりました。それまでは、住所が離れていたこともあり、特に行き来を頻繁にしていたわけではなかったようです。A様がX様の相続財産で把握されていたのは、ご自宅不動産と残高が僅かしかない普通預金の通帳のみでした。
 そこでA様にご一緒して、X様のご自宅でその他に相続財産がないか捜索を行いました。その結果、複数の預金通帳と共に、自宅金庫の中から公正証書で作成された遺言書の謄本がみつかりました。
約25年前に作成されたもので、その内容は、すべての財産をX様の夫のご兄弟であるB様に遺贈するとあり、付言事項には、X様の夫が亡くなる際にB様にお世話になったことへの感謝の気持ちが綴られていました。A様は、X様から遺言書の存在を聞いたことはなく、またX様の夫側の親族について話題に上ったことはないとして、大変驚かれていました。
この遺言書が効力を生じる場合、すべての財産はB様が受け取ることとなる為、A様をはじめX様側の親族は相続財産を受け取ることができず、故人の供養もままならなくなります。ただ、遺贈を受けるB様がA様より先に亡くなっていた場合には遺言は無効となります。また作成して25年が経過していることから、内容が抵触する新たな遺言が作成されている可能性や遺言そのものが撤回されている可能性もあります。
 
そこで公証役場に赴き、その後に作成した遺言書がないか検索を申し出たところ、約3年前にX様が新たな遺言を作成されていたことが判明しました。早速、該当の公証役場に行って確認すると、25年前に作成した遺言は撤回するという内容だけでした。
 夫が死亡した当時は、夫の親族とも親しかったようですが、その後、次第に疎遠になっていたようで、3年くらい前に自分の身の周りの世話を実兄にお願いするに際し、自分の親族には財産がまったく相続されない遺言書の存在を思い出し撤回されたのでしょう。
 
僅かしかなかった普通預金も残高を確認すると、定期預金が見つかりました。相続人全員で遺産分割協議書を作成して解約手続きを行い、故人の供養に充てられました。
 亡くなる何十年も前に作成された遺言書も有効ですが、故人が晩年その存在を忘れていることもあり、結果、故人の最終の遺志を反映しない遺言が実行される可能性があります。遺言が持つ怖さ、遺言を常に見直すことの重要性を改めて実感した一件でした。

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