上田さん(仮名)から、「2年前に死亡した奥様の預金の解約とその預金の分配がしたい」との依頼を受けました。
上田さんと奥様の間には子供がなく、相続人は、配偶者である上田さんと、7人の兄弟のうち生存している1人、甥姪が10人いることがわかり、合計12人と思われました。
しかし、さらに調査を進めると、奥様の妹(既に死亡)は、結婚、離婚、別の人と結婚、離婚、元の夫と再婚していることが判明し、2度目の婚姻時に2人の子供がいることがわかりました。
結婚した戸籍と死亡した時の戸籍の姓が同じであったため、相続人の現在の戸籍だけを取り寄せると、当初離婚再婚の記載を見逃すところでした。
結果として、相続人は2人増えて14人になりました。
上田さん以外の13人の相続人一人一人と、上田さんを中心に手紙・電話でやりとりをし、何とか手続きを完了することが出来ました。
上田さんからは大変感謝され、遺言がないと後で大変になると自覚して頂き、公正証書遺言の作成のお手伝いもさせて頂きました。
今回の事例では、戸籍の内容、特に日付の連続性の確認が大切だということを痛感しました。