忙しい仕事の合間を縫って、ご兄弟揃って無料相談にご来社されました。
「どこを探しても権利証が見当たらない」と、困り果てたご様子。
権利証の有無は相続手続き上、さほどシリアスな問題ではない事をお伝えし、少しご安心をいただいてからヒアリングを始めました。
「相続」という未知の経験に、まさに「一体これから何をどうしたらいいのか?」「多忙を極める自分達に煩雑な手続きの時間を工面するのは困難だ。」と困り果てておられました。
兄弟の父親は27年前に死亡していますが、「父親の時は母親が手続きをしたので自分達は母親に言われるままに何かの書類にハンコを押した記憶はあるのですが…良く覚えていません」
予想に反し、事前調査はさほど困難なものではありませんでした。
そんな息子二人を見越してか、お母様はきちんと「備忘録」(エンディングノートのようなもの)を残しておいて下さっていたのです。権利証の仕舞場所も記されてありました。
遡りの戸籍の取得とあわせ3週間足らずで調査結果報告書は完成し、総合支援サービス受託となりました。
お母様の遺産は基本的には「1/2ずつ分ける」と決めていたようですが、自宅不動産についてはお父様の相続の際、お母様2/4、兄の雄一様(仮名)1/4、弟の信二様(仮名)1/4の持分で共有をしていることが分かりました。
自宅は、10年前からお母様と同居をされていた雄一様ご家族が、今後も住み続ける予定です。
お母様の持分全部を雄一様が相続しても、お父様の相続の際に信二様が取得した持分はそのまま残っています。
兄弟弁「あの時は兄弟とも独身で誰が家を継ぐかなど将来の事は深く考えず、とりあえず法定相続分で相続登記をしたのだと思う。」
お二人から「自分が住んでいる(弟:住んでいない)不動産に兄弟の持分がある状態を解決する方法はないか?」とご相談を受け、お母様の相続手続きのタイミングで信二様の持分を雄一様に贈与する事を提案しました。
分割協議では「その部分」を加味し、信二様がお母様の金融資産を若干多目に取得することで円満にまとまり、相続と贈与を一気に完結することができご兄弟には大変喜んでいただくことができました。
相続手続支援サービスとは葬儀後の手続きのみならず、今回のように過去の相続の後始末や将来起こりうる相続に対する準備のお手伝いまで、長い時空を越えて「家族のさらなる繁栄」に寄り添える仕事であることを再確認出来た事案でした。