413、遺言執行者は既に天国にいた

2023年9月19日

先日、Aさんより、「主人を亡くしたので相談したい」とお話をいただきました。お話を聞いてみると、実は、Aさんは、正式な婚姻関係にない、いわゆる『内縁の妻』でした。本来、相続権のないAさんを想ってのことでしょう、ご主人のBさんは、遺言を遺していました。

その遺言の内容は、こうです。
「Aさんに2分の1、戸籍上の妻に4分の1、子供二人にそれぞれ8分の1ずつ、包括して相続(又は遺贈)させる」
つまり、相続させる割合のみが定められた遺言です。具体的に誰が何を相続するのかは、話し合い(遺産分割協議)で決めるほかありません。

内縁の妻であるAさんと、戸籍上の妻とその子供たち・・・スムーズに話し合いが進むとは思えません。遺言を遺したBさんも、そう懸念したのだと思います。この遺言には、ある弁護士さんが、遺言執行者として定められていました。
「実際に相続が起きた後は、弁護士さんが遺産分割協議をとりまとめる」
生前、Bさんと弁護士さんとの間では、そういう段取りだったのでしょう。

しかし、ここで番狂わせが起こりました。今回、Aさんからの依頼を受け、私たちが、遺言執行者である弁護士さんに連絡をとってみたところ、その弁護士さんは既に亡くなっていたのです。
結局、遺言執行者不在ということで、私たちが相続手続きの進行・調整を務めました。
内縁の妻と正妻家族との話し合いは決してスムーズとは言えませんでしたが、なんとか遺産分割協議を経て、その後の相続手続きを進めることができました。

遺言執行者というのは、法律や遺言で定められた手続きを行う者のことをいいます。でも、われわれ専門家が、お客さまから遺言作成のお手伝いに加え、遺言執行を受任するということは、単なる手続きを行うことだけがその役目ではないと思います。私たちが遺言書から聞き、感じとった遺言者の想いを、遺言執行の際に遺された家族に伝えることこそが、遺言執行者の役割ではないでしょうか。それを確実に全うしてこその遺言執行だと思うのです。
であるならば、何があっても、遺言執行者が先にいなくなってしまってはならないのです。
そのためには、例えば、会社組織で遺言執行を受ける、遺言執行者を複数名にするといった工夫が必要だと思います。それが、お客さまの遺言を預かる責任だと思います。

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