433、相続人が一人でも遺産分割協議書が必要なのか?

2024年2月19日

Aさんのお母様(以下亡Bさん)が亡くなられ、不動産の相続登記の相談に見えました。
 不動産の名義は、8年前に亡くなられたお父様(以下亡Cさん)のままでした。相続人調査を行うと、Bさんの相続人はAさん一人でした。調べると、不動産の所有者亡Cさんの共同相続人は亡BさんとAさんになりますが、Bさんは既に亡くなられているので共有状態は解消されます。よって遺産分割協議をする必要もなく、Bさんが死亡したことにより、Aさんが直接に全部相続し、取得したことを証明した「遺産処分決定書」を添えて登記申請すれば、亡CさんからAさんに名義変更が出来ることが分かりました。そのことを説明して、受託をいただきました。

 早速、司法書士に連絡してAさんの名義変更登記をお願いしました。
 これまでであれば何の問題も無く一週間程度で名義変更が完了するはずでしたが、法務局の登記官から、亡BさんとAさんの遺産分割協議書が遺されているのか確認する必要があると言われたそうです。
 Aさんに確認しましたが、遺産分割協議書はありませんでした。この事を司法書士に話すと、遺産分割協議書又は亡Bさんの特別受益証明書がないと、亡CさんからAさんへの中間省略登記申請は受理されないという連絡を受けました。

 その理由を司法書士に確認すると、以前に今回の事案と同じケースで「登記原因証明情報」の提出がなく登記申請を却下され、処分取り消しを求めていた請求事件の判決が出て請求が棄却されたためだということでした(平成25年(行ウ)第372号 処分取消等請求事件⇒⇒平成26年3月13日判決言渡)。

 Aさんには上記のような理由で、亡Bさんの共有持分である2分の1を一旦相続し、その後Aさんが亡Bさんの持分全部移転の登記をする必要がある旨説明して了解をいただきました(登記費用は数段高くなりました)。

 ちなみに、相続人が複数人いる場合は遺産分割協議書を提出できるので、これまで通り中間省略登記はできるようです。今回の事案のように相続人が配偶者と子供一人のケースでは子供に直接相続して登記しておくか、被相続人が亡くなった時点で、遺産分割協議書を作成もしくはBさんが特別受益証明書を残しておけば、中間省略登記が問題なくできて登記費用も節約できそうです。

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